リトルリーグの歴史

リトルリーグは、1939年(昭和14年)にアメリカのペンシルバニア州ウィリアムズポート市で誕生し、現在は80カ国以上で約250万人(2011年度)の選手が加盟している国際的な硬式少年野球組織です。

1939年6月、同州に住むカール・ストッツ氏が、近所の子供達12人でチームを結成したのがリトルリーグの歴史の始まりです。当初はわずか3チームの小さな団体でしたが、アメリカの各地に広がるにつれて「リトルリーグ」と呼ばれるようになり、世界にも広がっていきました。

1964年7月16日、アメリカのジョンソン大統領の署名によって連邦政府認可の法人となったリトルリーグは、ボーイスカウト、青少年赤十字団などと並んで「品性と勇気と誠実」を理念とする立派な社会活動の団体として広く認知されるようになりました。

現在では、リトルリーグ発祥の地である アメリカ合衆国ペンシルベニア州ウイリアムズポートに、リトルリーグ国際本部やミュージアムのほか、毎年世界大会が開催されるリトルリーグ専用球場である「ラマディスタジアム」と「ボランティアスタジアム」を始めとした多くの施設が世界のリトルリーガーのために設けられています。

 

リトルリーグ世界選手権

1947年から、リトルリーグ発祥の地であるアメリカ合衆国ペンシルベニア州ウイリアムズポートでリトルリーグ世界選手権「ワールドシリーズ」が開催されるようになり、毎年8月に熱戦が繰り広げられています。
現在は、アメリカの8地区(北東部、西部、五大湖、中部、中東部、北西部、中西部、南東部)の代表と、世界の8地域(アジア太平洋、南米、カリブ、中東・アフリカ、日本、カナダ、ヨーロッパ、メキシコ)の代表、計16チームが参加して行われ、アメリカ国内では、連日数万人の観客や全試合が全米生中継されるなど大変な人気を誇っています。
日本は、2006年以前は、アジア太平洋地域に含まれていましたが、アメリカに次ぐ世界第2位のリーグ数、選手数などの運営努力が評価され、2007年からは全日本選手権大会優勝リーグがそのまま世界選手権に出場できるようになりました。

リトルリーグ ワールドシリーズ2017 公式HP

 

 

日本のリトルリーグの歴史

日本でリトルリーグの活動が始まったのは、1955年頃です。東京の近郊で、わずか5~6リーグの規模でした。 1959年、米国人の飛行士であるMr.Bill Hatchが日本で初めて正式に国際登録された日本のリーグを組織しました。
1964年は、アジアではじめてのオリンピック大会が東京で開催された記念すべき年ですが、この年は、アメリカでリトルリーグが誕生してから25周年にあたるため、本部からの呼びかけもあって、日本リトルリーグ野球協会が発足しました。
1970年になると、それまでリトルリーグをバックアップしてきた 三井物産 に加えてフジ・サンケイグループが応援をすることになり、全国的な組織として年々拡大して行きました。2006年から(株)明治が新しく特別協賛会社として応援の輪に加わり、全日本選手権大会と全国選抜大会の二つの全国大会は ザバスカップ大会として開催されています。
そして、全日本選手権大会優勝リーグは2007年から日本代表として毎年8月に米 ペンシルベニア州ウイリアムスポートで開催される世界選手権(ワールドシリーズ) に直接出場することになりました。
それまではアジア・太平洋地区大会に優勝しなければ出場できなかったのですが、それが免除されたのです。
世界選手権に日本は62(同37)年から参加。67(同42)年の西東京リーグ、68(同43)年の和歌山リーグ、76(同51)年の調布、99(平成11)年の枚方、2001年の東京北砂、2003年の武蔵府中、2010年江戸川南、2012年東京北砂、2013年武蔵府中、さらに2015年・2017年東京北砂と計11度、世界一になっています。

 

リトルリーグの目的

 リトルリーグの目的は、子供たちに対する奉仕事業です。子供たちを善良で礼儀正しい市民に育てあげることを目的とし、社会に出てから立派な活動ができるように、子供たちの前途に目標を与え、生活を豊かにし、チームワークとフェアプレーの精神を授けることを基本としています。従って、各役員や監督・コーチをはじめ大会の審判員等もすべてボランティアとして協力しています。

 

リトルリーグの特色

使用するボールは「硬式ボール」

 リトルリーグで使うボールは、高校野球やプロ野球が使用するボールと同じ硬式ボールです。
大きさや重さも高校野球やプロ野球が使用するボールの規格と同じ大きさ(周囲が22.85cm~23.48cm)や重さ(141.7g~148.7g)で、リトルリーグ特有の規格があるわけではありません。
学童野球(少年軟式野球)で使う軟式ボールよりも、直径で3mmほど大きく、重さで10gほど違います。

 

少年達の育成と安全に配慮した世界基準のルール

 リトルリーグのルールは、少年達への安全に配慮された厳しすぎるのでは?と思われるほどのルールがリトルリーグ国際本部で決定され、世界基準で統一されています。
 主なものとして、投手の投球制限やヘッドスライディングの禁止、両耳ヘルメットやキャッチャー道具等リトルリーグ専用道具の使用義務、心臓保護パッドの使用義務等、選手の育成や安全に徹底的に配慮されたルールの下でプレイします。
 ちなにみ、投手の変化球については、特段の制限は設けられておりません。リトルリーグでも変化球を投げる投手はたくさんいます。これは、リトルリーグ国際本部が医療機関と共に長年にわたり変化球の投球と肩ヒジの故障の因果関係について調査を行ってきましたが、変化球の投球と故障には特段の因果関係は認められていないことが報告されています。

投手の投球制限
10歳以下 75球以下/1日あたり
13歳以下

85球以下/1日あたり(連投不可)

66球以上/日・・・4日間の休養が必要

51球以上/日・・・3日間   〃

36球以上/日・・・2日間   〃

21球以上/日・・・1日間   〃

 

全員出場義務ルール& 投手の再登板禁止ルール

リトルリーグで最も特徴的なルールが、「全員出場義務ルール」と「投手の再登板禁止ルール」です。これは、リトルリーグの国際ルールとなっており、世界大会でもこのルールが適用されます。世界大会に通ずる大会ではこのルールが適用され、国内の大会においてもこれに準じたルールで運営されます。
「全員出場義務ルール」とは、試合に登録された選手全員が試合に出場(国際ルールは、全選手が1打席の完了)しなければならず、また、このルールを運用するために全ての選手が再出場(一度交代してからも再度出場することができる)の権利があります。
「投手の再登板禁止ルール」とは、試合で1球でも投球した選手が降板した場合、再度投手として試合に出場することができないこととなっております。
この二つのルールは、日本国内の野球では聞き慣れないルールですが、リトルリーグでは、より多くの選手に出場機会を与えることや、チームワークやチームの総合力が試されることとなり、将来の野球人生の基礎となる少年期においては、様々なポジションを経験できることや、健康面においても一部の選手に負担が偏ったり過度な負担もなくなり、より多くの選手にチャンスが与えられるリトルリーグならではのルールです。

 

グランドサイズ

少年達の体力に合わせたグランドサイズとなっており、ピッチャープレートからホームベースまで14.02m、塁間18.29m両翼60.95m以上(最近では、ワールドシリーズが行われるラマディスタジアムと同じサイズの68.5mが多く採用されている)で、外野フェンスが設けられたグランドで試合が行われます。

 

リトルリーグ公式サイト

公益財団法人 日本リトルリーグ野球協会 ホームページ